椅子の高さアレコレと未知の骨


一回のレクチャー受講で
「弾き方が劇的に変わる!」「音色がすぐ良くなります!!」というような文句を
最近よく見かけるが、
コスパが貴重なジャパンにおいては確かに魅力的だろう。

だが、
「(本当の感覚というのは)
 長い積み重ねの先に、ある日突然自分の中に降りてくるもの」
というような主旨を共通して語るのは、
誰もが認めるレジェンドらだ。ジャンルを問わず。

                    

以前、動画の中で、あるピアニストさんが椅子の高さについて、
生徒さんから質問を受けておられ、 
「低い椅子はダメ、肩を上げて弾いてしまうことになるから」と答えられていた。

その時、私の頭に浮かんだのは、ボジャノフ氏のことだ。
それならば、彼の演奏スタイルはどうなる...のだ??、と。

同時に、
力学の意識が変わると
椅子の低さは、必然的に肩が上がるという思考の裁量を下すことになるのか、
と理解した。

(自分の中では、通常スタイルだが)
私はちび子のくせに、極端に椅子が低いと奇妙に不思議がられる。
手ほどきを受けたシェンク先生は、
私が演奏中にも関わらず、突然座る椅子の後ろレバーを動かし、座面高を落っことして
にっこり笑っていた人だ。

愛弟子のボジャノフ氏を見れば分かり易いと思うが、
もともと低めだった私の座面高を更に下げ、一番下に導いたのがシェンク先生である。
もう大学は退官されたが、、、。

私の身体の中にあった力学に先生は気が付かれて、
平気で(問題ないと判断して)そうしたんだと、今では思っている。
それゆえ、ボジャノフ氏の低い椅子の原理に、私は疑問が無い。 

先日、小さなコンサートがあり、伴奏で参加させて頂いたのだが
備品のピアノ椅子が低くなり切らないメーカーのもので、正直困った。
ホールのピアノは、インシュレーターが無しでその分も低くなるので、
元々低めの設計のメーカーものでないと、さらに合わなくなってしまう。
それで弾けなくもないのだが… 

低い椅子が会場にない可能性を感じたときは、一般人である私でもマイ椅子を持参するが、
この日は、お祝いコンサートだったので、
主催に合わせる(会場に合わせる)覚悟をして臨んだ。

手が、鍵盤の高さに平行になる椅子の高さが良いなど、
動画で説明されるケースが圧倒的に多いと思うけれど
椅子の高さの理論も、その人の身体の使い方それぞれのように、
非常に複雑だと思う。

弾き手の内面的な生体物理は、外見から一見するだけで実際は分からないゆえ、
他人が安易に語ると誤解やズレが生じやすいのでは?というのが、
現在の私の正直な見解である。

思ったほどヒトは己の身体のことを分かって動いていない、、、
百獣の王の武井壮氏がそういったような類のことを仰っていたが、
その通りだなぁと共感すると同時に、
ある骨と筋肉の部分が妙に気になり、思考のマイブームになっている今日この頃。

その役目が、何に影響するのかと
自問自答して考える事が、いま日課になっている。