しるしぶみ
振り返れば、長い長い年月。。。
音楽・音・技術をアップデートし続ける 奏法を変える、ということ。
朧気ながら手の中に会得したと感じられるようになり、
出来るようになったと思えば、また次が見えてくる。
何度も何度も、その繰り返し…振り返れば、その長さに驚愕する。
教育大に通っていたハタチの頃、自分のピアノの弾き方に疑問を持った。
否定的な言葉を周りから言われなくとも、
自分の中に見える行く先は、明らかに不透明。
卒業演奏会で演奏する機会に恵まれても、正直自分への疑念は拭えなかった。
そんなもやもやを抱えて、地を踏んだのが、
ショパンの生まれ故郷、ポーランド。春。
初めての海外。ショパン音楽院(現ショパン音楽大学)
故レギーナ・スメンジャンカ名誉教授(Pani Prof.Regina Smendzianka)
イエジ・ロマニウク教授(Pan Prof.Jerzy Romaniuk)
ワルシャワの街。
縁に稲妻が走った勢いのまま、帰国後すぐ大学院を中退し、
当時まだ1冊しか出版されていなかったポーランド語の小さな辞書を抱えて、
とんぼ返りのようにワルシャワへ移住した。
それが 自分の奏法に苦渋する長い月日の一歩目となった。
しかし ワルシャワでのその長い沈みが無ければ、その後、
隣国ドイツで、シェンク教授(Herr Prof.Georg Friedrich Schenck)に
出会うことも出来なかっただろう。
昨年遅ればせながら始めてみた呟きSNS。
脱力だの 重力だの ロシア奏法だの
ピアノの奏法に関して、活発な意見が交わされているのを初めて知り、
今の自分の中にあるこの感覚・奏法、がどのような位置付けになるのか、
どういう分析にあたるものなのか、はたまたどれにも属さないのか…
頭=身体の感覚で捉えていたものを文字に変換するきっかけになった。
二国をまたぐ留学での長い”学生”を経て、またその卒業後の時間も長らく経て、
ようやく自分の変遷過程を振り返ることができつつ
まだ身体の中に変わっていくものを感じる毎日だけれど…
文字に残し、ブログにすることで
自分の”しるしぶみ”にしていけれたらと思う。
EU加盟前という古い留学経験だけれど
街の想い出、
ショパン音楽院とドイツの二つの音楽大学で学んだこと、
また最近の気付きや思考も交えながら、綴っていこうと考えている。