ブルース・リウの沼
水洗とガスコンロに、経年の取替え時期が来た。
コロナ禍の影響で半年ほど入荷待ちしていたが、昨日ようやく。
(業者のお兄さんによると、この先1年待ちになる気配もあるとか)
所謂、リフォーム工事音が半日ほど家中にある状態だったのだが、
同時にリビングに位置するテレビ画面で、
ゆーてゅーぶが流れ、BGMのようになっていた。
気付くとピアノのおすすめの動画が流れだしていて
著名なピアニストたちが次々とランダムに登場しリレー演奏しているのを
視線は工事に向きつつ、耳はそちらを聴いているような状態に。
すると、その中、突然!?となった。
弾き始めた音(始まった音)がそれまでとは明らかに違う!
と感じ、思わず画面を振り返ると、
そこにはブルース・リウの姿があった。
工事音にかき消されることなく
彼の音はその間を華麗にすり抜けて来たかのように
スピーカーから立って現れた、とでも言ったら伝わるだろうか。
画面は、またリレー形式で
日本人ピアニストにバトンタッチしていったが、また工事音にかき消されていった。
確かに録画録音の楽器や環境は全く同じではないのだろうけれど
ブルース・リウには、他の奏者とは違う、別の音を奏でる技術がある証じゃ?
と改めて感じた。
ショパンコンクールでの彼の生音は素晴らしかった
特にスケルツォは絶品だった、と
ファツィオリ社のアレック氏(日本支社社長)から聞いたのを思い出す。
ブルース・リウの音楽を聴くと、
私は、頭が良い、頭の使い方が高尚な濃厚さを感じるのだけれど
共感して貰えるひとはいるだろうか…
ピアノアクションを駆使し、構成を計算しつくしたスキル、音色の幅…
仕草と音がつろくしない不協も一切無い。
コレミヨガシのひけらかしも無く、雑音がゼロな誠実さ。
未来性が底知れない、私にとってブームの沼ピアニストである。