ローカルピアノ奏者の試練


一台のピアノを使うリレー式のコンサート

私には、他に無い恐さがある。

特にしょっぱな弾き始め、私の神経質が異常に増すのは

毎度のこと。

自分が弾く前までの演奏者さんの弾き跡を感じるゆえ、

一発目のアクションの反応の予想が、すこぶる難しいのだ。

特にフルコンでないピアノの場合は、より顕著に感じる。

慣れていきたいものなのだが、

自己アップデートをしていけばいくほど、より敏感になってしまう感覚。

しかし、ソロの機会でも一度コトがあった。

その時は、ピアノに触れるのは私だけで、更にフルコンだったので

リハーサルの時間内に自己調整できるかと思って会場入りしたのだが…

いつものパターンに無く、なんか全体的にピアノ内の違和感が消えない。

妙な感覚・感触を拭えず、

率直に「このピアノ、最近なんか有りました?」とホールの担当の方に伺ったところ、 

「ぇぇ。。。実は数日前に、、(=_=)汗」と。

どうやら、現代曲をエンターテインメント的に披露するコンサートが直前にあったそうで、

そのピアノで華麗な内部演奏もあったんだそう。

ああそうか そうゆうことか…

と、納得させられたことがあった。

調律はしたのですが(-_-;)、、、とすごーく渋い顔をされていたので、

ホールさんにもいろいろご事情があるんだな…と。そうだったんですね(;’▽’) と学んだ日だった。

私のようにローカルな場所での演奏が多いと、一音だけ調整が狂っていたり

バラバラだったり、癖強なキャラクターを備えるピアノに、よくお会いする。

はたまたメーカーの分からないピアノ。とか

オーナーが言うには、

オーバーホールした古いピアノだけど、中身はスタインウェイ。とか。

車で言ったら、ボディは国産だけど、エンジンはベンツってこと?!

弾いてみても信じがたいピアノもあった。

新しいピアノでも

メーカーによってアフタータッチまで↓の速度が違うのは

歴然とした事実。

リハーサル時間の捉え方は、人それぞれだが、

私にとっては、

指ならしタイムではなく、一音一音の周波数合わせのようである。