二つ目のアパート その2 〜 窓わく突貫工事 〜
セカンドアパートは、
かなり古く あまり手が加えられていなかった。
音楽院と同じ白い木枠の窓から入る隙間風に、
この冬を乗り越えられるだろうか…と心配していた矢先、
「全部 取り替える」と大家さんから連絡がきた。
「家にいる日を、何にちか教えてくれ」と言われ、
答えたのだが、
ある日、それとは全くの別日に、
突然予告も無く、業者が下見に来た。
偶然、たまたま帰ってきた時に合致あったから
よかったものの、いきなりのご訪問には汗だった。
張り紙をしていたような記憶が無いのだが、
ご近所さんには、なんの予告もなく工事が始まり
工事用シートも貼らずにいきなりガラスを割リ始めたのには
心底びっくりした。
日本だったら、もう大問題だ。
途中で、大家さんが来たので、
事前に周りに言わなくてよかったのか?と尋ねたのだが、
「どの家も、いずれやらなくてはならない事だから、
気にすることないわ」
と言われたのには、面食らった。
色々おったまげたが、工事は、1日で無事完了し
中開きの綺麗な白いアルミサッシに生まれ変わった。
見ると、made in Germanyと書かれていた。
木枠には、
元々挟んであった新聞紙をさらに厚く密に詰め込んだり
タオルを隙間に当てたりしていたが、
とても快適なアパート暮らしの
再スタートとなった。
程よい大きさのベランダでは、
毎日鳥たちの訪問があり羽を休めていく。
見たこともない鳥も多く、いつまでも眺めていれそうで、
時間も早く流れた。
遠くの道路を行き交う車の音が、
窓を開けた時の日常音になった。
しかし、
間もなくそんな少しの換気でさえ、凍えそうになる
極寒の冬がやってきた。
続