さよならワルシャワの街 その2


(その1の続き)

こんなこともあったっけ。

当時ワルシャワの地下鉄駅には、
改札口横に大抵キオスクとパン屋さん&ケーキ屋さんが併設されていた。

そこで買って、朝食べ歩きしながら出勤するポーランド人もよく見た。

ケーキと言っても、ポーランドのケーキは
日本のコージーコージーや不二家の様なケーキではない。

一個一個の小売りではなく、計り売りでっかいバットに入ったケーキをすくって
好きな量を買えるやつが定番。


母が日本からポーランドへ遊びに来ていた時、
今日のスイーツにと思い、
大学のレッスン帰りに駅のケーキ屋さんへ立ち寄った。

定番のものを買えばよかったのだが、
せっかくだし面白いかと思い、
普段買わないような珍しい見た目のものも一つ選んだ。


名前は忘れてしまったのだが
茶色くて丸い野球ボール型のケーキ。何味って言えない日本には無いタイプ。


それをお店のおばさんが袋に入れようと秤に乗せてくれたとき、
かすかに聞き捨てならない音がした。( ̄▽ ̄)汗。ゴンッ。。。

嫌な予感。

しかし「まあ、いいか。ここであえて言わない方がいい」
と思い、ネタにもなるしとそのままポジティブに持ち帰った。


白いビニール袋に入ったケーキと共にアパートへ
部屋で留守番をしていた母に、

『ケーキ買ってきたんだけど 多分いい音すると思うわ〜』と 

テーブルに少し投げ落とすと…

「カァーーーッン!」爆笑


見事予想通り、
ケーキというものからするはずのない音が。

そう、その丸ケーキは、おそらく時間の経過とともに
素晴らしくカッチカチに仕上がっていたのである。


よく言えば、熟成というのだろうか。
賞味期限&消費期限はとうに切れているジョウモノである。

すぐに店まで交換してと言いに行けば、してもらえたとは思うけれど
まぁ笑ったしヨシとした。

トングで挟んだおばちゃんも気付いて無い事はないと思うのだが、
全くスルーなのが見事である。


それまでも近所に新しいケーキ屋さんができて、
あまり売れてなさそうだなぁと思いつつ、買ってみた時、

家に帰ってウキウキしながら、
フォークを入れたら、中が一面キキララカラ〜✨なんてこともあった。

最初、サーティワンアイスクリーム仕様なのかと思ったくらいだったが、
それは見事にキレイ鮮やかな カビだった。笑



スーパーマーケットの商品管理も、
当時は、賞味期限が過ぎてるなんてことは普通にあったし、
大手のスーパーでも、商品は正面があちこち向いてバラバラだった。

ヨーグルトはポーランドプロデュースのもので安価でいっぱい種類があり、
選ぶのも飽きずに楽しくて、私はよく買っていたのだが、
つまりいつも大抵あっちこっち向いて並んでいた。

ふと思い立って、(客だけど)一度全部ヨーグルトコーナーの商品を
正面に向けて直してみたことがあったが(勝手にごめんなさい🙏🏻) 



遠くから見た時の、その並びの美しいこと。この上無かった✨笑
そして、ぁあJAPANだな…と感じた。

卵も日本のように生で食べる習慣はない。
実際、卵のパックを手にすると羽以外も色々おまけがくっ付いている。


【 郷に入っては 郷に従え 】

このことわざは、
今では少し問題ありと言われてたりもするみたいだけど、
異国の地で、まず風習や習慣、民族的意識を理解し受け入れる 
と言う意味では、とても大切なことだ 

と私は思っている。 


(その3に続く)