しがらみなし子のつぶやき その1
私がワルシャワに留学していた頃は、
いわゆる”一昔”の時代で、今のようにゆーてゅーぶで演奏動画が乱立する時代ではなかった。
というより、
2005年時点、ポーランドでは
まだインターネットの普及率がすこぶる低く、
自分のアパート部屋でしようものならパソコンと電話線を繋げて、
電話回線でやらなければならなかった。
留学して間もない頃は、パソコンもテレビもない生活をしていたので
どうやって生活情報を得ていたんだろう、、、と
自分でも記憶がぶっとんで、今や謎である。
私が現地で見聴きできたショパンコンクールは、
2021年のコンクールで話題になった
名大医学生、澤田氏の師である関本昌平氏、そして
我らがアイドル山本貴志君が4位を分け合い入賞でブレハッチが優勝、
2021年のコンクール中の休憩のコーナーで
司会をしていたレイチェル・ナオミ奥様もファイナリストとなった2005年。
コンクール会場のホールに入れなかった(チケットゲットできなかった)ものは、
部屋のラジオで聴いた記憶がある。
映像世界配信は、確か2010年が最初だったと思うが、
それが今や(信号に変換された音と言えど)
画面をクリックすれば、国境を越えて、リアル時間で聴くことができ、
おまけに視聴者がコメントを自由に書き込めるようになる、、、とは。驚
リアル時間で視聴できることの良い点は、
切り取った情報だけ、こちら(海向こう)が受けとることにならず、
現地で何が起きていたかが、生で視覚的に分かることだ。
ニュースでは真の情報が隠されるというのは、事件に限られたことではない。
2005年の会場でのハプニング、
審査結果に対するポーランド人の本当のリアル反応、見解。。。etcは、
日本には伝わらない、届かないのだ。
マイクはピアノ音を入力するために舞台上にあるのだろうけれど、
審査員席は、舞台上には無い。
2005年、審査員席の少し後ろの席で聴いた記憶を呼び起こすと、
(たしかダンタイソン氏側の席だった)
いくら鍵盤に食らいついていても
審査員の席まで、飛んでこないものは来なかった(音のこと)。
配信ではマイクに入力されて、画面には反映されるけれど、
審査員席においてはそうではなく、全く届いていないということも
起こっているのかな、と想像する。
けれど、
コンテスタントがどう発音するためにどう鍵盤へアプローチしているか、
身体の使い方を視覚から把握出来るようになったことは、大きい。
またいくら信号音になったとはいえ、
そのコンテスト間の差異まで埋まってしまうことは無いと思うので
ピアノメーカーの違いを抜きにした
個人がもつ音(音色)の違い、幅の相違は把握できる。
こういった情報が過多になるのも、あるいみ危険だが
会場でどんな音が拡がっているか推察する、耳の訓練にはなると考える。
にしても
2021年(2020年)コンクールのスポンサーで
レクサスに始まりレクサスに終わると言っても過言ではないほど
レクサスCMが流れたのには、驚いた。
ちなみに私が留学して居た頃は、ワルシャワ中心にトヨタのお店など有ろうはずもなく、
郊外のメガ・スーパーマーケットの近くに1店あるのをたまたま見付けたくらいだったと記憶。
トヨタ新車なんぞ、なかなか見かけない。
時代が、変わったんだなと痛感。
これは2020年がアジア大会と揶揄されるほど
日本人参加者が多かったことも意味しているのだろうが、
コロナ禍で経済も不安定の中での開催における
スポンサーの力は、どうしたって大きい。
コンクールというのは、大人の事情や背景が色々あるんだろうな(ー∀ー。。。
と想像している。